《GAME OVER》1993 年ごろ/フェン・メンボー(馮夢波)

1966年北京生まれ。1991年中央美術学院デザイン科卒業。中国で最も早くからデジタル技術に着目し、活用してきたアーティストのひとりであり、1990年代には早くもニューメディア・インタラクティヴ・アートの実験を開始。 ニューメディアやテクノロジーを駆使して中国の文化的シンボルや歴史を探求・研究することに長けており、特にビデオゲームを使った作品で知られている。創作活動の初期、1993年に発表した一連の絵画作品『Game Over: The Long March』は、任天堂のゲーム『スーパーマリオ』を参照し、ゲームのスクリーンショットの形で赤軍兵士の冒険を描いている。その中で、スーパーマリオは毛沢東の戦略的な動きを指し示し、毛沢東が当時の権力を獲得するのに貢献した(本作は当時、北京で作家本人から購入したもの)。2008年には同じテーマをさらに追求し、同じ主人公のゲーム『長征:再起動』(2008年)を制作。来場者は、ギャラリーの壁に投影された24m×6mのデジタル・スクロールを通して、ジョイスティックを使って赤軍を操作することができる。その作品は2015年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で展示された。