6 ブラック・ベルベット・ペインティング

 画用紙やキャンバスの代わりに、通常黒いベルベット地に描かれるのがベルベット・ペインティング。戦後アメリカで普及し、キッチュな土産物の代名詞となった。特に人気だったのが「ベルベット・エルヴィス」と呼ばれたエルヴィス・プレスリーやジョン・ウェイン、ネイティヴアメリカン、オオカミ、イエス・キリストなどとともに、1960~70年代にはこうしたエキゾチックなニュアンスを漂わせるヌード・ベルベットもよく描かれていた。それはTIKIに代表されるエキゾチカ・ブームの一端と見ることもできる。

 1970年代にはメキシコにブラック・ベルベット・ペインティングを専門に手描きで量産する工場があったそう。ここで展示しているのは鳥羽の秘宝館で、階段部分を飾っていたブラックベルベット・ペインティング。派手な金色の額に収められ、お客さんの気分を盛り上げていた。