入館料・フロアガイド

営業時間/入館料

最終入館時間は閉館の30分前となります。

月曜・火曜・水曜・木曜開館 17:00 閉館 23:00

  • 17:00-23:00お席のチャージ代 1,500円 + 飲食代金(入館料含む)
  • 見学のみ入館料として 2,000

金曜日、土曜日開館 15:00 閉館 23:00

  • 15:00-17:00入館料 3,000(「茶と酒 わかめ」ドリンク1000円OFFチケット付き)
  • 17:00-23:00お席のチャージ代 1,500円 + 飲食代金(入館料含む)
  • 見学のみ入館料として 2,000

日曜日、連休最終日休館

当館は18歳未満の方のご入館をお断りしております。
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1階 VIPルーム

ラグジュアリーなインテリアと
美女に囲まれる至高の空間

やむにやまれぬ事情で“集まっちゃった”作品群

――「大道芸術館」に展示されている作品の全ては、都築さんの所有物だ。

「アート好きではありつつ、根はコレクターではないんですね。ただ、長い取材活動の中で出会った作家さんをサポートしたいと購入したり、取材させてもらうために購入したりして。または捨てられてしまう作品を譲り受けたものだったりと、やむにやまれぬ事情で僕の手元に“集まっちゃった”ものなんです」

――居を構える東京都向島は、料亭以外に現役の芸者が多く在籍し、旧赤線地帯の跡も残る“花街”でも有名だ。こうした性の文化が根付く場所に建てようと狙ったのか?

「いいえ。所持する秘宝館のセットなどをお見せできる場所が出来たらいいなと探していた時、ちょうど全面畳張りの料亭が空いたと聞き内見して決めたんです。後々にこの地域が芸者街だと知り驚きました。偶然にしては出来すぎた話ですよね」

2階 BARフロア

レースの暖簾の先に待つ桃源郷、
ドールとアートとお酒が心を潤す

海外のアート好きも驚く忖度一切なしの展示

――芸術館を作る際に最も気を付けたのは、女性客への配慮だった。

「女性の方からは過度なエロは避けられるかな? と思い、展示の仕方には細心の注意を払いました。ところが、女性客の方々は気軽にエロに関する話をされていたり、バーにいるラブドールを興味深く触ったり。現役の吉原ソープ嬢を呼んだイベントでは熱心に内容をノートを取ったりと真剣。当館の展示のどれもが女性を貶めてはないと、わかってもらえているのは嬉しいですね」

――また、来場者の多くは海外からのアート好きな客だという。

「海外のみなさんは、面白がっていただいていただきつつ、『エロやグロをここまで展示していいの⁉』と、びっくりされます。なぜなら、欧米の美術館やギャラリーは、コンプライアンスが非常に厳しく。一人が『この展示は不適切だ』と文句を言っただけで、会が中止になる事案がたくさんある。結果、開催側も見る側もみんな敏感になりすぎるあまり、忖度して、過激と言われたものは展示できないでいる。幸い日本はコンプライアンスの是非が比較的ゆるい国で(笑)。そうした環境下でしか生まれない作品があり、そうした作品が展示できる場所がこの国にはあると、非常に面白がってもらえています。いつかここにある作品が、浮世絵のように逆輸入的に“芸術”と認められたら面白いですね」

3階 
元祖国際秘宝館・SF未来館

今や失われつつある秘宝館の
伝説の展示が令和に甦る!

眼前に広がるパノラマ・エログロ世紀末空間

目が眩むSFエロワールド! 展示『エロ宇宙の未来旅』

1970年、三重県伊勢市に誕生した「元祖国際秘宝館」。草分け的存在として人気を博し、1981年には鳥羽市に姉妹館「SF未来館」を開館(2000年閉館)。「大道芸術館」3階にはその「SF未来館」の展示が復元されている。テーマは「エロ宇宙の未来旅」、物語はこうだ。「1999年、ノストラダムスの大予言の通り地球は滅亡。その時、宇宙を征服し終え地球に帰還した宇宙艦隊の提督は、わずかな生存者たちを狩り集め、その中から優秀な存在を選別し、特殊な実験を使い人類再生を目指す“超未来人間”プロジェクトを開始する……」

館長秘蔵COLLECTION

ファインアートだけではない! 
裏街道に咲く芸術の欠片たち

行き場を失った芸術たちと遊べる場所でありたい

――秘宝館の展示、見世物小屋の看板にラブドールから、名もなき作家たちの作品と共に、大竹伸朗に空山基といった海外で評価される作家の作品も並列して「大道芸術館」には展示されている。一体何なぜなのか?

「僕が両方とも好きなのが大前提として、本来はその両方はミックスされ、同一線上に並ぶべきだと思っているんです。ところが先ほども触れましたが、なぜか芸術にかんしては『高尚』なものこそ素晴らしいとされ、その反対にあるものを意図的に排除してしまう傾向があります。本来、表現に触れる際の感情って『好き・嫌い』の二つにすぎないもの。良い絵か悪い絵か? うまいかヘタか? 上品か下品か? そうした作品に対する良し悪しは、誰かが勝手に決めているものなんです。

音楽なら、モーツァルトやバッハが好きな人がいて、K-POP好きな人もいる。洋服ならハイブランドが好きな人もいればユニクロが好きな人もいる。本来ならその双方に差はありません。なのにアートの世界だけは、なぜか劣るものはそう判断された途端に見向きもされず、挙句はバカにされる。それはすごく良くない。ファインアートも素晴らしいですが、ラッセンの絵が好きでも良い。吉増剛造のような現代詩が好きな人もいれば、相田みつをの言葉が好きでも良い。片一方だけを見ていても全体はわかりません。僕はその排除されてしまう芸術も見せて『こっちだって良いよね』と、選択肢を提示したかったし、世間で“下に見られる”ものを好むことに劣等感を抱いて欲しくない、『偉い物こそ素晴らしい』という風潮を壊したいっていう思いがあるんです」

――見向きもされないならまだしも、世間では不健全・不要と思われたものは跡形もなく消えてしまう傾向にある。例えばバーカウンターのテーブル内には、日本の60~70年代のポルノ映画のチラシが埋め込まれている。これらの作品はかつて映画興行の華だったが、現在フィルムは廃棄され、観ることは不可能である。3階の「元祖国際秘宝館・SF未来館」の展示も,引き取らなければ廃棄されていた。そうした流れを都築さんは危惧している。

「『SF未来館』は鳥羽市の商店街の中に建てられ、営業開始当初はたくさんの来場者の効果で商店街も盛り上がっていたんです。ただ、2000年の閉館後に私が展示を取りに行った際は、商店街の人たちから、『これまでありがとう』どころか、『さっさと帰れ』と言われてしまった(苦笑)。強烈な掌返しですね。見世物小屋に関しても、以前はお祭りの華でしたが、飽きられた途端バカにされてしまい今ではほぼ見かけない。本当ならこうした日本の大衆文化を彩った歴史は、国立民族博物館などの公共の場で大々的に出すべきなのですが、『下品だ』と無視され、どこも引き取ってくれない。そうして行き場を失った作品たちは捨てられる以外ないのが現状です」

――そうした、やむにやまれず世の中から見捨てられた文化・作品を発信する当館を、都築さんは「絶滅危惧種図鑑の中で遊べる場所」と例えた。

「秘宝館の展示や見世物小屋の看板などはもちろん、レーザーカラオケもそう。ラブドールも製造元のオリエント工業が前社長の退任で、撤退寸前までいきました。他にも今どうしているかわからない作家の絵画、描き手もわからない作品がたくさんあります。そうした作品は、公の場所では展示されないため、いつ消えてもおかしくありません。しかも消えてしまったものは、誰も目にすることができず、(芸術としての)評価の体系に入らないため、存在すらしていなかったことにされてしまいます。そうして跡形もなく姿を消したところで『あれは素晴らしかった』と嘆いても遅い。願わくは、この場所を通じて、僕たちの周りには今も『いつかこの世から完全に消えてしまう文化・作品』がたくさんあることを、楽しんでもらいながら知ってほしいですね」

コレクション(一部)

《案内嬢の部屋 1F》やなぎみわ 1997
《美川憲一》小川卓一
〈ノーマ・ジーン・ベーカー〉ピエトロ-L-キクタ
香港の陶器人形
吉岡里奈 ※多数展示中
(タイトル・作者不詳) 香港の陶器人形
ブラック・ベルベット・ペインティング ※6作品
バンコクの犬
秘宝館おじさん
《無題》柊一華 2019
《Hang-Kreung》ナリモン・パドサムラーン 2009
『女子・小人プロレスリング大試合と20世紀のスリラー大魔術』ポスター
樺山久夫
《大雷神》《大風神》ロッキン・ジェリービーン 2002年
(タイトル不詳)ウドム・テーパーニット
《松月洞》許曉薇(シュウ・ショウウェイ)
《確認》波磨茜也香 2018
タイのビンテージ映画スチル
マレーシアの昆虫標本
《Hanpanda》野田凪 2008年頃
見世物小屋絵看板
オリエント工業のラブドールたち
ピンク映画ポスター

動物スーパーマーケット、動物ダンスパーティ(作者不詳)
大西重成「ピーナッツの人形」
青木仁之《素人イップス》
山形牧子《モォ~やめて》
KAZU(題名、制作年不詳)
勝木てるお「漫画雑誌の表紙原画」
《The Shaggs》新開のり子
(作品名不詳)佐川一政
(作品名不詳)元心
《少年のトルソ》作者名不詳
(作品名不詳)よしこ
《Cucumber》伊賀美和子 2006年
《ボーイズ》新開のり子
《ブローニュの森の貴婦人たち》中田柾志
《BAYBADJ》BABU 2018年
《思い出》香西文夫
《LIFE IN WARTIME》Rev. Johnny Ace
(作品名不詳)ぴんから体操
《ブッタギリニ来マシタ。》高松和樹、2013年
《池ノ端》大竹伸朗、2010年
「元祖国際秘宝館・SF未来館」再現展示
ガーナの手描き映画ポスター
キャバレー・ベラミの踊り子たち