昭和の男性向け週刊漫画誌全盛期に活躍した漫画家のひとりに勝木てるおがいる。あるとき札幌の古書店で、漫画雑誌の表紙原画がまとまって出ていたのが2階に展示してあるシリーズである。
「週刊漫画TIMES」「漫画ゴラク」「漫画パンチ」「土曜漫画」……昭和40年代の男性向け週刊漫画誌で勝木てるおの作品は数多く見つかるが、そのプロフィールはまだきちんと探せていない。
「鉛筆で読む本 本と遊ぼう! 目で考えるクイズと立体パズル・ゲーム」という勝木てるお著の、新書版の娯楽本があり(昭和42年、日本文芸社刊)、その見返しにこんなプロフィールが載っていた――
昭和6年、東京生まれ。愛称「テーちゃん」。機敏なユーモア、非論理的なオシャベリが得意。生活そのものがマンガで彼のまわりに笑いが絶えることがない。自他ともに認める「おかしな人物」である。
酒を愛し、なかでも、美人のいる店なら千里の道も遠しとせず、仕事をおっぽらかして遊び歩く、そんな遊びの中から生まれたのがこの本である。